2006年 03月 03日
文佳人という芸術作品
「文佳人」という銘柄(シリーズ?)が有名です。
社長(5代目。30代という若さで社長&メイン杜氏)が壜詰め作業中だったので、暇つぶしに奥さんから蔵を案内してもらうことに。
酒蔵の中は、日本酒の香りがふわ~んと漂っており、酒造りの道具類たちとあいまって、何とも言えないノスタルジックな気分になりました。
蔵の中では絞ったばかりのお酒にじゃぶじゃぶお水をかけて冷やしていたり、いろいろな容器が山積みされていたりと
「酒蔵です!」
っていうことをしっかりと主張していました(^.^)
「何かこだわっているのはあるんですか?」
とたずねたら、
「基本的に昔からの道具を使っているのですが、あの樽だけ、社長の強い希望で買いました」
とのこと。
この樽です。
大吟醸を作る際に使うらしいです。
「あ~、文佳人はこの樽でできるのか~」
といっていると社長が来たので事務所に行くことに。
事務所に戻ったら、奥さんが1合壜の手詰め作業をはじめました。
驚いたことは、この蔵では完全に手作業だったのです。
蔵の中でも機械らしい機械はありませんでしたし、詰めの作業まで手作業とは・・・。
酉水会(酒造組合の青年部)が「土佐出世酒 とのひめうま」を発売していますが、その壜なんかも1合壜なんです。
「どうやってつめているんだろう?」
と思っていたら、このように1升壜から直接移していました(^。^)
「じょうごとかは使わないんですか?」
と聞いたら
「泡が立って、酒質が落ちるのでうちでは直接、このように詰め替えています」
とのこと。
もっとも、これはアリサワさんのところのやり方で、蔵によっては機械を持っていたりなど、蔵によってやりかたは違うようです。
ちなみに、ここではラベル貼りも手作業。
酒造りはもちろん完全手作業ですので、完全に工業製品の枠を出ています。
いや
もはや芸術品といっても過言ではない!
感嘆しながら社長と仕事の話を済ませ、帰る間際に
「昨日絞ったばかりの酒とかを売ってくれません?」
と聞くと
「う~ん・・・。実は昨日絞ったのがあることはあるのですが、しばらく置かないと濁っていて商品にならないので、壜詰めしていないんです。」
とのこと。
「そうですか(ToT)」
と凹んでいると
「ちょっと前に瓶詰めしたのがあります。これは出荷前で、まだ市場に出回っていませんよ。どうですか?」
という恵みの言葉が!
「それちょうだい!」
ということで購入したのがこれです。
「文佳人」の純米吟醸。
酒米は「吟の夢」という高知特産の酒米です。
「去年よりも一段とおいしくできあがりました」
という社長の顔は杜氏の誇りで満ち溢れていました(^.^)
既に東京などでは一定の高い評価を得ていますが、
この社長に油断なし!
そう、文佳人は発展し続けるすばらしいさも持っているのです。
感動しながら蔵を後にして、
「今日中に飲まなければならん!」
という思いに駆られました。
すぐさま、日本酒好きの友人(といってもすごく年上なんですが・・・。)にTEL。
二つ返事でOK!となり、高知市で落ち合って居酒屋へ直行しました。
今回行ったのは、とある小料理屋さん。
僕が開拓した店ではないので名前は出せませんが、職人肌の大将と気さくな奥さんの夫婦でお店をやっています。
酒飲みにはたまらない肴ばかりが揃っており、ものすごくポテンシャルが高いお店です(~_~)
ちなみに、常連さんには持ち込みを許してくれるので、特別なものが手に入ったときは、この店に来ることが多いです。
ここで文佳人を飲みながらおいしい肴をいただきました(^。^)
突き出しはこれ。
マグロとめかぶをあえたもの。
ここらへんはビールを飲みながらつっつきました。
この日は文佳人以外にも、友人が「鮒寿司」も持ち込んでいて、続いてその鮒寿司が出てきました。
初めて「鮒寿司」なるものを食べました。
ご飯の部分と一緒に食べると、ニオイもそんなに気になりませんでしたね~。
文佳人と合いました。
次に刺身盛りが出てきました。
今日の刺身は、
鯵
鯖
平目
うに
ブリ
でした。
どれもこれも相当においしかったです(^.^)
やっぱり、日本酒には魚が良く合います。
しかも、今年の文佳人純米吟醸は、フルーティな香りをしっかりと保ちながら、日本酒のキリッとしたところもキチンと表現できているという、
バランスが良いのが特徴
でしたので、どの魚ともよく合いました。
最後に、浜アザミがあったのでてんぷらにしてもらいました。
「浜アザミ」は高知ではよく食べられる植物で、主に室戸の海岸部でとれる草です。
てんぷらで食べるのが一般的で、旬が春なので、高知では春を告げる食べ物とされています。
例えるのが難しい味ですが、あえていうなら、ごぼうかな?
これがまた文佳人とよくあう!
揚げ物とまで相性がいいとは・・・。
文佳人おそるべし(>_<)
この他にも、トビウオの干物、鯛わた、鯨のベーコンなどの珍味が、大将の好意でゲリラ的に提供され、文佳人を完全に堪能し尽くすことができました(^^♪
高知はほんとう食の国だな~(#^.^#)