2006年 03月 16日
がんばれ!土佐出世酒とのひめうま
酉水会が主体となって企画したお土産商品
「土佐出世酒とのひめうま」が
昨年の11/11(侍の日)に発売され
これまで4000セットが販売されました。
実はこの商品、企画の意図が2つあります。
一つはおみやげ商品の研究。
この分野の研究が高知の酒造業界では遅れていました。
いつかは、やらなくてはならないのですが
ちょうどよいきっかけが、今回できたわけです。
もう一つが、ダウンサイジング。
簡単に言うと、
すこし前までの日本酒の市場ニーズは
安い三造酒を1升壜で欲しい
でしたが、現在では、
高くてもいい、純米酒・吟醸酒を4合壜以下で欲しい
にシフトしているわけです。
これはお酒以外の商品にも言えていて、
今の日本の食卓には醤油もみりんも1升壜なんてないでしょう?
どれも市場ニーズに対応してサイズを小さくしています。
醤油に至っては、コンビニでミニチュアボトルまで売っています。
しかし、日本酒業界はこの変化に対応できていない。
トヨタのカンバン方式が聖書となっているこの国で
「変化に対応できませんでした」
という言い訳は通用しません。理由を問わず。
それが市場シェアに如実に出ているわけです。
いまどき大都市圏で、日本酒を一升壜で持っている家なんてないっつーの。
そのため、今回の企画では思い切って実験をしました。
最小サイズの1合壜で販売したのです。
絶対に採算に合わない実験ですが、
僕は大きな成果があがると思っています。
ちなみに、今回の実験でいくつか課題がはっきりしました。
ま、僕が勝手に「課題だ!」と思っているだけですが(>_<)
1.一合壜での採算性の向上
→ これが一番悩ましいです。
今回は期間限定なので損得抜きだけど
定番商品にするためには
採算性は向上させないとね~
SCM…簡単じゃないんだよな~(>_<)
生産者を巻き込むちょっとした仕掛けとかかな~。
とにかく蔵元に
「一合壜も作ってみようか」
と思ってもらわないと話になりませんからね~。
2.二~三合壜の研究への応用
→熱燗需要への対策です。
今年の冬が暖冬でなかった場合、
ほぼ確実に熱燗がブームになります。
その場合、このくらいの量が消費者受けするので
早急に研究したい…
ワインとの戦いを想定して、
3合で小売価格が700円~1200円のラインを
研究してみたいですね。
ホントは純米で勝負したいけど、価格を考えると
八海山みたいに精米歩合を55%にした
本醸造もありかな~。
3.デザイン力の補完・向上
→これは日本の製造業の伝統的な欠点ですが
何とかしたい…
「土佐出世酒とのひめうま」では、
この点が課題になることが
初めからわかっていたので
高知で№1パッケージデザイナーと名高い
梅原氏に各種デザインをお願いしました。
おかげで素晴らしい商品が出来たと思っていますが、
これを自力でやらないと
明るい明日はめぐり来ないわけです。
特に、お土産用、大都市消費用、海外用etc..は、
それぞれ特殊なデザインが要求されますから…
どれも、簡単ではないし、
他にも流通やらブランド対策やら
大きな課題もあるのですが
一つずつ、前進させていきたいですね~。
最終的には、土佐酒の出荷額を今の100億円の倍
200億円
にしたいっす(^。^)
でも、とりあえずは「土佐出世酒とのひめうま」が
頑張って1万セット売れて欲しい(^^ゞ
「土佐出世酒とのひめうま」とは…
一豊とその出世を助けた妻の千代、馬の大田黒をモチーフにした「殿」「姫」「馬」の3本で構成。それぞれに県内15の蔵元が醸造した純米酒、純米吟醸酒、上撰(じょうせん)酒を詰めた。各社が1種類ずつ担当し、全部で5パターンある。1瓶180ミリリットルで、紙のパッケージに入って1セット1500円。5セットの詰め合わせもあり、15蔵の酒を飲み比べることもできる。